「静かな教室や集会がこわくて、学校に行けない」「テストや受験の日は、決まってお腹が痛くなる」——過敏性腸症候群(IBS)の症状で、学校生活や受験に不安を抱える中高生の方、そしてそれを見守るご家族の方へ。この記事では、なぜ学校や受験の場面でお腹がつらくなるのか、ご家族にできること、鍼灸でできることを、やさしく解説します。

このページを要約すると
- 静かな教室・集会・試験など「逃げられない場面」で悪化しやすいのは、脳と腸が自律神経でつながる脳腸相関の影響と考えられています。
- これは「気の持ちよう」ではなく、体と神経の反応です。本人の努力不足ではありません。
- まず消化器内科で病気がないことを確認します。強い不安やうつ的な気持ちが続く場合は、心療内科・精神科の受診も選択肢です。
- 鍼灸は自律神経の緊張をやわらげる補助的なケアとして、医療とあわせて受けられます(効果には個人差があります)。
⚠️ まず医療機関の受診を
血便・原因不明の体重減少・発熱・夜間の腹痛や下痢などを伴う場合は、大腸などの病気の可能性があります。まず医療機関(消化器内科)を受診してください。未成年の方は保護者の方とご相談のうえで受診し、自己判断でお薬や通院をやめないでください。鍼灸は、その検査・治療とあわせて行う補助的なケアです。
なぜ学校や受験の場面で、お腹がつらくなるのか
全校集会、テスト中、自習室、しんと静まり返った教室——「今このタイミングでお腹が鳴ったら」「ガスが出てしまったら」と考えるほど、かえってお腹の不調が強くなる。これは、あなたの気持ちが弱いからでも、気にしすぎだからでもありません。
IBSは、脳と腸が自律神経でつながる「脳腸相関」のバランスが乱れて起こると考えられています。緊張や不安を感じると、その信号が自律神経を通じて腸に伝わり、腸が過剰に動いたり、痛みや張りに敏感になったりします。
- 予期不安のループ:「またお腹が痛くなったら」という不安が、実際に症状を呼び、その体験がさらに不安を強める——この悪循環が起こりやすくなります。
- 逃げられない環境で強まる:静かで、席を立ちにくく、みんなの視線がある場面ほど緊張が高まり、腸の反応も出やすくなります。
- 試験・受験の直前に噴出しやすい:進路がかかった大事な場面ほどプレッシャーが大きく、体が反応してしまいます。
大切なのは、これが「気の持ちよう」で片づく話ではないということ。体と神経の反応として起きているものです。しくみをもう少し詳しく知りたい方は、IBSの原因と脳腸相関のしくみもあわせてご覧ください。
※ 症状のあらわれ方には個人差があります。長く続く・悪化する場合は、まず消化器内科での検査を前提としてください。
保護者の方へ——できること、避けたい言葉
お腹の不調でお子さんが学校をつらそうにしていると、ご家族もどう支えればよいか悩まれると思います。よかれと思って伝えた言葉が、かえってお子さんを追い詰めてしまうこともあります。
- 「気の持ちよう」「気にしすぎ」は避けたい言葉:本人はすでに一生懸命こらえています。この言葉は「自分の努力が足りない」という自責につながりやすく、孤独感を深めてしまいます。
- まず「つらかったね」と受け止める:症状を否定せず、体の反応として起きていることを一緒に理解してあげてください。
- 環境を整える相談を:学校とトイレに行きやすい席・退室のしやすさなどを相談できると、予期不安がやわらぐことがあります。
- 医療につなぐ:まず消化器内科で体の病気がないことを確認します。強い不安・気分の落ち込み・「消えたい」といった訴えが続く場合は、心療内科や精神科の受診も選択肢です。
- 自己判断で薬・通院をやめさせない:処方薬の増減や中止は、必ず主治医とご相談ください。
お子さんが求めているのは、まず「わかってもらえた」という安心です。そのうえで、体の緊張そのものをやわらげていく手立てを一緒に探していけると理想的です。
鍼灸でできること・自分でできるセルフケア
鍼灸は、脳腸相関の乱れ——ストレスで高ぶった自律神経の緊張をやわらげる方向に働くと考えられています。お腹・背中・手足・首肩へやさしく鍼を行い、体の過緊張をゆるめていきます。IBSに対する鍼治療のコクランレビューでは、薬物療法と比較した試験の統合で、鍼治療群のほうが症状改善に効果があったと報告されています[1]。医療(消化器内科・心療内科)の治療を続けながら、あわせて受けられます。
📊 研究データ(ポイント)
- IBSに対する鍼治療のコクランレビューで、薬物療法と比較した試験の統合において鍼治療群のほうが症状改善に効果があったと報告されています[1]。下痢型IBSに対する鍼のシステマティックレビューとメタ解析も行われています[2]。
ご自宅や学校で、緊張したときに自分でできる小さなケアもあります。
- ガス抜きの呼吸:可能なら仰向けで膝を軽く曲げ、肩の力を抜いて、口からゆっくり長く息を吐きます。リラックスが鍵です。座ったままでも、息を長く吐くことで緊張がやわらぎやすくなります。
- 手足・お腹のツボを軽く押す:手の甲の合谷(ごうこく)、ひざ下の足三里(あしさんり)、おへその左右にある天枢(てんすう)などを、心地よい強さでゆっくり押してみてください。強く押しすぎないのがコツです。
- 「お守り」を用意する:整腸剤や飲み物など、いざというときの安心材料があるだけで予期不安がやわらぐことがあります(お薬は主治医の指示の範囲で)。
セルフケアはあくまで補助です。症状が続く・悪化する場合は、無理をせず受診してください。専門的なケアを検討したい方は、IBSの鍼灸 専用ページもご覧ください。
※ 効果には個人差があり、効果を保証するものではありません。まず消化器内科での検査を前提とします。
よくある質問
Q お腹の不調がこわくて学校に行けません。どうすればいいですか?
Q テストや受験の日は必ずお腹が痛くなります。改善しますか?
Q 保護者として、子どものために何ができますか?
初めての方限定
IBS鍼灸 体験コース(90分)7,700円(税込・通常14,300円/約46%OFF)
自律神経の乱れ・お腹や背中の緊張など、身体の治療メニューに適用されます。学生の方も、保護者の方とご一緒にご相談いただけます。
IBS鍼灸 専用ページを見る インヤン藤沢で今すぐ予約する※本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療を保証するものではありません。効果には個人差があります。血便・原因不明の体重減少・発熱・夜間の腹痛や下痢がある場合は、まず医療機関(消化器内科)を受診してください。強い不安や気分の落ち込みが続く場合は、心療内科・精神科にもご相談ください。未成年の方は保護者の方とご相談のうえで受診し、お薬の調整や通院の中断は自己判断せず、主治医とご相談ください。
参考文献・出典
- Manheimer E, et al.「過敏性腸症候群(IBS)に対する鍼治療」Cochrane Database of Systematic Reviews 2012
- Zhu X, et al.「下痢型IBS・機能性下痢に対する鍼:システマティックレビューとメタ解析」J Altern Complement Med 2020
監修:中澤 和巳(あん摩マッサージ指圧師・臨床10年)
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