HEADACHE / NECK / JAW
頭痛・首肩こり・食いしばり
頭の重さ、首肩のこり、目の疲れ、噛みしめ、顎のつらさ——。
医療を尊重しながら、首肩から呼吸・顎の緊張まで含めて整えます。
痛みの領域における鍼灸研究の要点
- 痛みの領域は、鍼灸研究の中でも特に研究が進んでいる分野です。
- 慢性痛に対する大規模な個票データメタ解析では、39試験・20,827例を対象に、鍼治療が慢性痛の軽減に関わることが報告されています。
- 頭痛、首肩こり、顎関節症などでは、症状ごとの系統的レビューやメタ解析で、痛みや機能に関する前向きな研究結果が報告されています。
- 当鍼灸院では、痛い場所だけでなく、首肩・顎・胸郭・睡眠・呼吸・自律神経まで含めて、痛みが戻りにくい条件づくりを重視します。
HEADACHE
頭痛
緊張型頭痛・片頭痛
頭痛は「首肩こりが原因」とひとくくりにできるものではなく、片頭痛、緊張型頭痛、睡眠不足、月経、噛みしめ、眼精疲労など複数の要因が重なって続くことがあります。
受診が優先になるサイン
- 突然の、これまで経験したことのない激しい頭痛(雷のように急に強くなる頭痛)
- 手足の麻痺・ろれつのまわりにくさ・視野の異常・意識のもうろうを伴う
- 発熱とともに首の硬さ・強い吐き気を伴う
- 頭を強く打ったあとから続く頭痛、日ごとに悪化する頭痛
これらがあるときは、麻痺や意識の変化を伴う場合は救急(119)も検討し、まず脳神経内科・脳神経外科などを受診してください。
頭痛の要点
- 頭痛は大きく片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、二次性頭痛などに整理されます。
- 片頭痛では光や音への敏感さ、吐き気、動くとつらい感じが目立つことがあります。
- 緊張型頭痛では、後頭部から首肩にかけての締めつけ感や重だるさとして出ることがあります。
- Cochraneレビューでは、片頭痛・緊張型頭痛の予防に対する鍼灸の研究結果が報告されています。
- 当鍼灸院では、頭だけでなく、首肩、顎、胸郭、睡眠の乱れまで含めて整えることを重視します。
頭痛について
頭痛は、拍動する痛み、締めつけられる痛み、後頭部の重だるさ、こめかみの緊張など、出方が人によって大きく異なります。
片頭痛では光や音に敏感になりやすく、緊張型頭痛では首肩のこわばりや夕方の悪化が目立つことがあります。
よくみられるタイプ
- 片頭痛:ズキズキする、吐き気、光や音がつらい、動くと悪化しやすい
- 緊張型頭痛:締めつけ感、後頭部〜首肩のこわばり、夕方に強くなりやすい
- 混合型:片頭痛と緊張型頭痛の要素が重なる
原因と悪循環
頭痛が続くと「また痛くなるかも」という警戒が強くなり、肩が上がる、顎を噛みしめる、睡眠が浅くなる、鎮痛薬が増える、といった悪循環が起きやすくなります。
特にデスクワークやスマホ作業が続く方では、後頭部、側頭部、首肩の緊張が強まりやすく、眼精疲労や食いしばりが重なることで頭痛が固定化しやすくなります。
医療機関での治療
医療機関では、頭痛のタイプに応じて、急性期治療薬や予防薬、生活調整が行われます。
片頭痛ではトリプタン製剤や予防薬、緊張型頭痛では鎮痛薬の使い方や生活背景の見直しなどが検討されます。
薬物乱用頭痛の予防も重要です。
当鍼灸院での頭痛の鍼灸治療
当鍼灸院では、頭痛を「頭の症状」だけでなく、首肩・顎・胸郭・睡眠・自律神経の問題が重なった状態として捉えます。
後頭部、首肩、側頭部、前腕、下腿などを含めて全身を調整し、頭痛が起こりにくい土台づくりを目指します。
鍼灸でできること
- 後頭部や側頭部に関連する首肩の緊張を整える
- 片頭痛に重なりやすい睡眠不足や自律神経の偏りを整える
- 噛みしめ、眼精疲労、胸郭の硬さなど頭痛を強めやすい背景も一緒に調整する
- 頭痛頻度だけでなく、重さや回復しやすさの変化もみていく
東洋医学的なタイプ分類
- のぼせタイプ:こめかみが張る、イライラしやすい、目が疲れる
- 首肩こりタイプ:後頭部〜首肩の重さが強く、夕方に悪化しやすい
- 消耗タイプ:疲れると頭痛が出る、朝から重い、回復感が少ない
- 胃腸巻き込みタイプ:吐き気や食欲低下と一緒に頭痛が出る
研究結果と当鍼灸院の捉え方
頭痛は、鍼灸の痛み研究の中でも根拠が比較的厚い領域です。片頭痛予防のCochraneレビューでは、22試験・4,985例を対象に、鍼灸を加えることで頭痛頻度が減る方向の研究結果が報告されています。
緊張型頭痛でも、Cochraneレビューで12試験・2,349例を対象に、頭痛頻度の軽減に関する研究結果が報告されています。
また、日本の「頭痛の診療ガイドライン2021」でも、片頭痛予防に対する鍼治療は「考慮してもよい」とされ(弱い推奨/エビデンスの確実性B)、緊張型頭痛でも非薬物療法として鍼灸が挙げられています。
こうした効果の背景として、片頭痛では痛みに関わる三叉神経血管系やCGRPと呼ばれる物質のはたらき、緊張型頭痛では首肩のこりからくる痛みの感じ方の過敏化(中枢性感作)に、鍼が関与する可能性が研究で調べられています。
そのため当鍼灸院では、頭だけに注目するのではなく、首肩・睡眠・顎・眼精疲労まで含めて整える方針で施術を行います。
頭痛について詳しく知りたい方へ
よくある質問(頭痛の鍼灸)
Q. 藤沢で頭痛に鍼灸は効果がありますか?
研究では片頭痛・緊張型頭痛に対する鍼の有効性が報告され、「頭痛の診療ガイドライン2021」でも片頭痛予防の選択肢として記載されています(弱い推奨)。効果には個人差があり、効果を保証するものではありません。
Q. 鎮痛薬を飲んでいても受けられますか?
はい、受けられます。鎮痛薬や予防薬を否定せず、医師の治療を尊重しながら施術します。自己判断での減薬・中止はおすすめしていません。
Q. 片頭痛と緊張型頭痛、どちらでも相談できますか?
はい、どちらのタイプもご相談いただけます。まずカウンセリングで頭痛のタイプや首肩のこりを確認します。
Q. 突然の激しい頭痛のときは?
突然の激しい頭痛や、これまでと明らかに違う頭痛、発熱・麻痺を伴う頭痛は、まず医療機関を受診してください。
NECK / SHOULDER
首こり・肩こり
首こり・肩こりは、姿勢だけでなく、呼吸の浅さ、噛みしめ、ストレス、睡眠不足、頭痛との関連も大きい症状です。
首こり・肩こりの要点
- デスクワークやスマホによる前かがみ姿勢、眼精疲労、噛みしめ、精神的ストレス、睡眠の乱れなどが積み重なって起こる、とても身近な不調です。
- 多くは筋肉の緊張や血行の停滞によるものですが、手のしびれ・脱力・急な激しい痛み・発熱を伴う場合は、頸椎や内科の病気が隠れていることもあります。
- まずは整形外科などで、しびれや神経症状の有無を確かめておくと安心です。
- 当院の鍼灸は、首肩まわりのこわばりや血行をやさしく整え、緊張しにくい状態づくりをお手伝いする補助的なケアです。
- 東洋医学では、気の巡りの停滞(気滞)や血の巡りの滞り(血瘀)、ストレスによる緊張(肝鬱)などの視点でとらえます。
首こり・肩こりについて
首こり・肩こりは、首すじから肩、背中の上部にかけて、重だるさ・張り・痛みを感じる状態です。日本人にとても多い訴えで、日常のちょっとした習慣の積み重ねから生じます。
こんなお悩みはありませんか
- 夕方になると首や肩がずっしり重く、頭まで痛くなってくる
- パソコンやスマホを見続けたあと、首すじがガチガチに張る
- 肩をまわすとゴリゴリ音がして、動かしづらさを感じる
- マッサージを受けてもその場しのぎで、すぐに戻ってしまう
原因と背景
首や肩には、頭という重い部位を支え続けるという大きな負担がかかっています。とくに前かがみの姿勢が続くと、首肩の筋肉は休むひまなく働き続け、緊張と血行の停滞が積み重なっていきます。
こりを招きやすい主な背景
- デスクワークやスマホ操作による、前かがみ・猫背の姿勢
- 長時間の画面注視による眼精疲労
- 無意識の噛みしめ・食いしばりによる首肩まわりの緊張
- 精神的なストレスや緊張の持続
- 睡眠不足や、合わない枕・寝具による疲労の持ち越し
- 運動不足や冷えによる血行の低下
これらが重なることで、筋肉がこわばり、血行が滞り、こりや痛みとして感じられやすくなります。
医療機関での検査・治療
多くの首こり・肩こりは筋肉の疲労や緊張によるものですが、なかには首の神経や内科的な病気が背景にあることもあります。次のような症状があるときは、自己判断で様子を見ず、まず整形外科などの医療機関を受診してください。
こんなときは早めに受診を
- 手や腕のしびれ、力の入りにくさ(脱力)を伴う
- これまでにない急な激しい痛みがある
- 発熱や体重減少、強い倦怠感を伴う
- 頭痛やめまい、吐き気が強い、または安静にしていても痛む
- 胸の痛みや圧迫感を伴う
整形外科では、問診や触診、必要に応じてレントゲンやMRIなどで、頸椎症や神経の圧迫の有無を確認します。原因に応じて、内科などほかの診療科が適している場合もあります。まずは整形外科を受診し、神経症状や病気が隠れていないかを確かめておくと安心です。
当院の首こり・肩こり鍼灸治療
医療機関で大きな病気が否定された筋肉性の首こり・肩こりに対して、当院の鍼灸は、首肩まわりの緊張と血行をやさしく整えることを目的とした補助的なケアを行います。
当院で大切にしていること
- こっている場所だけでなく、姿勢や噛みしめ、背中や肩甲骨まわりの状態まで含めて全体を確認します
- こわばった筋肉のこりや血行にやさしく働きかけ、緊張しにくい状態づくりをお手伝いします
- お一人おひとりの生活習慣に合わせて、姿勢や休息のとり方など、日常でのセルフケアもご提案します
鍼灸は病気を治すものではなく、体のバランスを整えるサポートです。医療機関での治療と並行して受けていただくこともできます。
東洋医学的なタイプ分類
東洋医学では、首こり・肩こりを「気」や「血」の巡りの状態からとらえ、いくつかのタイプに分けて考えます。実際には複数が重なることも少なくありません。
- 気滞(きたい):ストレスや緊張で気の巡りが停滞したタイプ。張ったような重だるさや、日によって症状が変わりやすいのが特徴です。
- 血瘀(けつお):血の巡りが滞ったタイプ。同じ場所が慢性的に固く、刺すような痛みやしつこいこりを感じやすい状態です。
- 肝鬱(かんうつ):精神的なストレスが長く続き、緊張が抜けにくいタイプ。イライラや不眠、噛みしめを伴いやすいのが特徴です。
研究結果と当鍼灸院の捉え方
首肩のこりや慢性的な緊張に対する鍼灸については、国内外でさまざまな研究や報告が重ねられています。一方で、体質や生活背景には個人差が大きく、効果の感じ方も人それぞれです。
当院では、こうした知見を過度に期待させる材料としてではなく、「筋肉の緊張や血行を整えるサポート」という位置づけで、ていねいにケアに活かしています。効果を断定したり、医療の代わりになるとお伝えすることはありません。医療機関での検査・治療を土台としながら、体をラクな状態に近づけるお手伝いとして、鍼灸をご活用いただければと考えています。
首こり・肩こりについて詳しく
首こり・肩こりへの当院の考え方や施術の流れ、よくいただくご質問などを、専用ページでより詳しくご紹介しています。
よくある質問
Q. どれくらいのペースで通えばよいですか。
A. こりの強さや生活習慣によって異なりますが、はじめは間隔を詰めて体の状態を整え、楽な状態が保てるようになってきたら、少しずつ間隔をあけていく通い方が一般的です。お体の様子を見ながら、無理のないペースをご相談させていただきます。
Q. 鍼は痛くないですか。
A. 使用するのは髪の毛ほどの細い鍼で、多くの方が思っていたより痛くないとおっしゃいます。感じ方には個人差がありますので、苦手な方には刺激の強さを調整しながら進めますので、遠慮なくお伝えください。
Q. 病院に通いながら受けても大丈夫ですか。
A. はい、医療機関での検査・治療と並行して受けていただけます。鍼灸は体を整えるための補助的なケアです。服用中のお薬や治療内容があれば、施術前にお知らせいただくと安心です。
FROZEN SHOULDER
五十肩
肩関節周囲炎
五十肩は、肩関節を包む組織の炎症から癒着・拘縮が進み、痛みと可動域の制限が長く続くことのある症状です。まず整形外科での診断が基本で、鍼灸は保存療法を補う選択肢です。
五十肩(肩関節周囲炎)の要点
- 肩関節を包む組織に炎症が起こり、癒着や拘縮によって痛みと可動域の制限が生じる状態です。
- 腕が上がらない、髪を結ぶ・帯を結ぶような後ろへ回す動作がつらい、といった訴えが特徴です。
- 中年以降に多く、糖尿病のある方にも起こりやすいとされています。
- 疼痛期・拘縮期・回復期という経過をたどり、自然に回復へ向かうものの、数か月〜数年と長引くこともあります。
- まず整形外科で診てもらうことが基本で、鍼灸は保存療法を補い体を整える一つの選択肢です。
五十肩(肩関節周囲炎)について
五十肩(肩関節周囲炎)は、肩関節を包む関節包などに炎症が起こり、時間とともに癒着・拘縮が進んで、痛みと動かしにくさが続く状態です。夜間にうずいて眠りが浅くなったり、着替えや洗髪などの日常動作がつらくなったりします。多くは疼痛期(強く痛む時期)から拘縮期(痛みは和らぐが固まって動かない時期)、回復期(少しずつ動きが戻る時期)へと移り変わります。自然に回復へ向かう傾向がありますが、経過が長く、可動域の制限が残ることもあります。
こんなお悩みはありませんか
- 腕を上げようとすると肩に痛みが走り、途中までしか上がらない
- 髪を結ぶ、エプロンやブラジャーの後ろの留め具に手が届きにくい
- 夜間に肩がうずいて目が覚める、痛む側を下にして眠れない
- 服の袖に腕を通す、シートベルトを取るような動作がつらい
- なかなか良くならず、この先ちゃんと動くようになるのか不安
原因と背景
五十肩は、はっきりしたきっかけがないまま肩関節の周囲に炎症が生じ、そこから関節包が厚く縮んで癒着・拘縮へと進むと考えられています。加齢に伴う組織の変化を土台に、肩を動かさない期間が続くことで固まりやすくなる面もあります。中年以降に多くみられ、糖尿病のある方では起こりやすい傾向が知られています。
痛みで動かさない時期が続くと関節がさらに固まり、固まると動かしづらくて痛む、という悪い流れに入りやすいのも特徴です。日常の姿勢や肩まわりの負担、冷えや疲労の積み重ねも、つらさに関わることがあります。
こんな背景が重なりやすい傾向があります
- 40〜60代以降で、肩の組織に加齢に伴う変化が出始めている
- 糖尿病など、肩が固まりやすい体質的な要因がある
- 痛みをかばって肩を動かさない期間が続いている
- デスクワークや首肩こりなど、肩まわりへの負担が積み重なっている
医療機関での検査・治療
肩の痛みや動かしにくさが続くときは、まず整形外科で診てもらうことが基本です。問診や動きの確認に加え、レントゲンやMRI、超音波などで、腱板断裂・石灰沈着性腱炎・関節リウマチ・頸椎の問題など、似た症状を起こす他の病気と見分けます。治療は保存療法が中心で、運動療法や関節可動域訓練、痛みを抑える薬、関節内への注射などが行われ、難治な場合に手術が検討されることもあります。
早めに受診を
- 転倒や強くぶつけたあとに、強い痛みや腕を上げられない状態が出た
- 夜間にじっとしていても激しく痛み、眠れないほどつらい
- 発熱や肩の腫れ・熱感を伴う
- 急に肩が動かせなくなった、力が入らない・しびれを伴う
これらがあるときは自己判断で様子を見ず、まず整形外科を受診してください。鍼灸は、医療機関での診断・治療を受けたうえで、その保存療法を補う役割と考えています。
当院の五十肩(肩関節周囲炎)鍼灸治療
当院では、整形外科での診断・治療を土台に、それを補う形で鍼灸を行っています。五十肩は病期によって肩の状態が大きく変わるため、今がどの時期か、どの動きでつらいかをていねいに確かめながら進めます。
痛みが強い時期には、肩そのものを無理に動かすことは避け、肩まわりや首肩、背中、腕にかけての緊張を和らげ、めぐりを整えることをめざします。固まりが目立つ時期には、周囲の張りをゆるめて動かしやすい状態づくりを補い、ご自宅でできる範囲の動かし方についてもお伝えします。冷えや疲労、睡眠など、全身のコンディションにも目を向けて体を整えていきます。
鍼灸で五十肩が治る・治すというものではありません。あくまで医療と併用いただく補助的な選択肢として、つらさが少しでもやわらぎ、日常の動作が楽になるお手伝いができればと考えています。経過に不安があるときは、いつでもご相談ください。
東洋医学的なタイプ分類
東洋医学では、肩のめぐりの滞りによる痛み・動かしにくさを「痺証(ひしょう)」ととらえ、肩に起こるものを「漏肩風(ろうけんぷう)」と呼びます。体質や背景によって、次のようなタイプに分けて考えます。
- 風寒湿痺(ふうかんしつぴ):冷えや湿気の影響を受けてめぐりが滞り、肩が重だるく痛むタイプ。冷えると悪化し、温めると楽になりやすい傾向があります。
- 気滞血瘀(きたいけつお):巡りが詰まって痛みが一か所に強く出るタイプ。特定の動きで刺すように痛んだり、夜間につらくなったりしやすいとされます。
- 気血両虚(きけつりょうきょ):体力や滋養が不足し、回復が進みにくいタイプ。長引きやすく、疲れやすさや冷えを伴うことがあります。
研究結果と当鍼灸院の捉え方
肩の痛みや可動域に対する鍼灸の影響については、これまでにいくつかの研究が報告されています。一方で、五十肩は病期によって経過が変わり、多くは時間とともに自然に回復へ向かう性質があるため、変化を鍼灸だけの働きと切り分けて考えることは容易ではありません。
当院では、こうした前提をふまえ、鍼灸を万能なものとしては考えていません。まず整形外科での診断と保存療法を受けていただくことを基本とし、その経過を補いながら、つらさをやわらげ日常を送りやすくすることをめざす選択肢として位置づけています。過度な期待をあおる説明はせず、一人ひとりの状態に合わせてご案内します。
五十肩(肩関節周囲炎)について詳しく知りたい方へ
病期ごとの向き合い方や、当院の考え方・施術の流れ、よくいただくご質問などを、専用ページで詳しくご紹介しています。ご自身の状態と照らし合わせてご覧ください。
よくある質問
Q. 鍼灸で五十肩は治りますか。
A. 鍼灸は五十肩を治すものではなく、整形外科での診断・保存療法を補う位置づけです。まず医療機関で診てもらったうえで、肩まわりの緊張を和らげ、日常を送りやすくするお手伝いをする選択肢としてお考えください。
Q. 痛みが強い時期でも受けられますか。
A. 強く痛む時期は肩を無理に動かすことは避け、周囲の張りをゆるめてめぐりを整えることを中心にします。状態をうかがいながら無理のない範囲で行いますので、痛みの程度をお聞かせください。まずは整形外科での診断を受けていることが前提です。
Q. どのくらいの頻度で通えばよいですか。
A. 病期や肩の状態、生活背景によって異なります。初回に経過やお困りの動作をうかがったうえで、無理のない目安をご相談しながら決めていきます。医療機関での治療と併用いただくことをおすすめしています。
EYE STRAIN
眼精疲労
目の疲れは、目だけでなく、首肩、後頭部、睡眠、噛みしめ、集中のしすぎとつながって続くことがあります。
眼精疲労の要点
- 画面作業や細かい作業が続く方に多くみられます。
- 目の奥の重さ、眉間の緊張、頭痛、肩こりを伴うことがあります。
- 眼精疲労は、目そのものだけでなく後頭部・首肩・側頭部の緊張とも関係します。
- 当鍼灸院では、後頭部や首肩、側頭部、顎まで含めて整えます。
眼精疲労について
眼精疲労は、目を使ったあとの一時的な疲れ(眼疲労)とは違い、休んでも回復しにくく、頭痛・肩こり・吐き気などの症状を伴う状態を指します。近くを見続けるとまばたきが減り、ピント調節を担う筋肉が緊張し、涙も蒸発しやすくなります。
よくみられる症状
- 目の奥の重さ・痛み、まぶたの重さ
- 目のかすみ・乾き、しょぼしょぼ感
- 眉間・こめかみの緊張、頭痛、肩こり
- 夕方に悪化し、翌日に持ち越す
原因と背景
デジタル機器の使用時間が長い方に多く、近くを見続けることでピント調節筋の緊張、まばたきの減少による涙の不安定(ドライアイ)、前かがみ姿勢による首肩・後頭部のこわばりが重なって起こります。度の合わない眼鏡、睡眠不足、ストレスも背景になります。
眼精疲労は、首肩こりや緊張型頭痛と併発しやすいことが報告されており、目だけでなく首肩・全身の状態も関係します。
医療機関での検査・治療
まず眼科で、視力・屈折・ドライアイ(涙の量や安定性)などを確認し、背景に別の病気がないかを調べることが基本です。度数の調整、点眼薬(人工涙液など)、生活指導、必要に応じて涙点プラグなどが行われます。
早めに眼科へ
- 急な視力低下、視野が欠ける、強い目の痛み・充血
- 頭痛や吐き気を伴う、物が二重に見える
これらは緑内障や網膜・神経の病気の可能性があります。まず眼科の受診を優先してください。
当鍼灸院での眼精疲労の鍼灸治療
眼精疲労では、後頭部や側頭部、首肩、眉間まわりの緊張が重なっている方が多くみられます。
当鍼灸院では、目の周辺だけにこだわらず、首肩や顎、胸郭まで含めて整え、目の回復を邪魔しにくい状態を目指します。
東洋医学的なタイプ分類
東洋医学では「目は肝と関わりが深い」と考え、体質によって出方を整理します。
- 肝血虚(かんけっきょ):目の乾き・かすみ。疲れると悪化しやすい、血の不足タイプ。
- 肝腎陰虚(かんじんいんきょ):目の奥の疲れ、ほてり、睡眠の乱れを伴いやすい。
- 気滞(きたい):ストレスや緊張で悪化し、こめかみ・首肩の張りを伴う。
タイプに合わせて全身を整えることを重視します。
研究結果と当鍼灸院の捉え方
眼精疲労そのものを対象にした大規模研究は多くありませんが、目の疲れやドライアイ関連症状に対する鍼灸では、自覚症状や目の不快感に関する研究結果が報告されています。
眼精疲労は頭痛・首肩こり・噛みしめと重なりやすいため、目の周囲だけを単独で見るより、関連する緊張を整えることが大切です。
そのため当鍼灸院では、後頭部・首肩・側頭部・顎・睡眠まで含めて、目が休まりやすい条件づくりを行います。
よくある質問(眼精疲労の鍼灸)
Q. 目の周りに鍼を刺すのですか?
目のまわりのツボも使いますが、後頭部・首肩・こめかみ・手足など全身のツボを組み合わせます。刺激量は調整できますのでご相談ください。
Q. どのくらいで変化を感じますか?
個人差がありますが、施術後に目の周りが軽く感じる方もいます。慢性的な疲れは、間隔をあけて続けることで戻りにくい状態を目指します。
Q. 眼科に通いながらでも受けられますか?
はい。眼科の検査・治療を続けながら、身体側から整える補助としてご利用いただけます。
DESK WORK
デスクワークによる不調
長時間のパソコン・スマホ作業に伴い、首肩こり・眼精疲労・頭痛・背中や腰の張り・自律神経の乱れなどが複合的に重なりやすい状態です。まず該当する診療科での確認が基本で、鍼灸は補助的なケアです。
デスクワークによる不調の要点
- 長時間のパソコン・スマホ作業に伴い、首肩こり・眼精疲労・頭痛・背中や腰の張り・自律神経の乱れなどが複合的に重なりやすい状態です。
- 同じ姿勢の持続、画面の見続け、浅い呼吸、運動不足、精神的な緊張などが背景として重なります。
- 多くは筋肉の緊張・目の使いすぎ・生活習慣が関わりますが、しびれや強い頭痛など、別の原因が隠れていることもあります。
- 手のしびれ・脱力、これまでにない激しい頭痛、急な視力低下などがあるときは、まず該当する診療科の受診が基本です。
- 当院の鍼灸は、医療機関での確認を前提に、緊張した筋肉や乱れやすい自律神経のバランスを整えるための補助的なケアとして行います。
デスクワークによる不調について
デスクワークによる不調は、ひとつの病気ではなく、長時間のパソコン・スマホ作業に伴う複数の不調が重なった状態を指します。首肩こりや眼精疲労だけでなく、頭痛、背中や腰の張り、集中力の低下、寝つきの悪さといった自律神経の乱れまで、幅広くつながって現れることが特徴です。
同じ姿勢を長く続けること、画面を見続けること、呼吸が浅くなること、体を動かす機会が減ることなどが、日々少しずつ体に負担として積み重なっていきます。ひとつずつは軽くても、重なることで「なんとなく調子が悪い」状態が続きやすくなります。
こんなお悩みはありませんか
- 夕方になると首や肩が重だるく、頭まで締めつけられるように感じる
- 画面を見続けると目が乾いたり、かすんだり、奥が痛くなる
- 背中や腰が張って、長く座っているのがつらい
- 集中力が続かず、疲れているのに夜うまく眠れない
- マッサージや市販薬で一時的に楽になっても、またすぐ戻ってしまう
原因と背景
長時間のデスクワークでは、頭を支える首や肩、背中の筋肉が同じ姿勢のまま働き続け、血流が滞りやすくなります。前かがみや猫背の姿勢が続くと、負担はさらに首肩や背中に集中しやすくなります。
画面を近くで見続けることで、目のピントを合わせる筋肉も休みなく使われ、眼精疲労につながります。目の疲れは首肩の緊張や頭痛とも関わり合い、互いに影響し合いながら不調を長引かせることがあります。
さらに、集中している時間は呼吸が浅くなりやすく、体は緊張した状態が続きます。こうした緊張が積み重なると、活動と休息を切り替える自律神経のリズムが乱れやすくなり、眠りの質の低下や疲れの取れにくさとして感じられることがあります。運動不足やストレス、睡眠の乱れなどの生活習慣も背景として重なります。
医療機関での検査・治療
デスクワークによる不調の多くは、筋肉の緊張や眼精疲労、生活習慣が関わるものと考えられます。一方で、症状の陰に別の原因が隠れていることもあるため、気になる症状が続く場合や強い症状があるときは、自己判断せず医療機関で確認することが大切です。医療機関では、問診や姿勢の確認、必要に応じて画像検査や目の検査などが行われます。
早めに受診を
- 手や腕のしびれ・力の入りにくさ(脱力)が続く、または悪化する → 整形外科
- これまでにない激しい頭痛、手足の麻痺、ろれつが回らないなどを伴う → 医療機関(脳神経内科・脳神経外科など)
- 急な視力低下、強い目の痛み、見え方の異常がある → 眼科
- 発熱を伴う、日常生活に支障が出るほど症状が強い、だんだん強くなる
これらに当てはまる場合や不安が強いときは、まず整形外科・眼科など該当する診療科を受診してください。
当院のデスクワークによる不調の鍼灸治療
当院の鍼灸は、医療機関での確認を前提としたうえで、緊張しやすい体のバランスを整えるための補助的なケアとして行っています。病気を治すものではなく、日々の負担で固まった状態をやわらげ、休みやすい体の状態づくりをお手伝いする位置づけです。
お一人おひとりの状態を確認しながら、次のような部位に着目してアプローチします。
- 首肩や肩甲骨まわりの、こわばりやすい部分
- 目のまわりやこめかみなど、画面作業で疲れがたまりやすい部分
- 背中や腰など、姿勢を支えて張りやすい部分
- 呼吸に関わる部分に着目し、浅くなりがちな呼吸をゆるめる
- 姿勢のくせや、緊張と休息の切り替えに関わる自律神経のバランス
あわせて、作業の合間の休憩や姿勢、目の休め方など、日常での過ごし方についてもご相談に応じます。施術の心地よさだけで終わらせず、ご自身でも整えやすい状態を目指していきます。
東洋医学的なタイプ分類
東洋医学では、デスクワークによる複合的な不調を、体全体の巡りや状態のかたよりとしてとらえます。同じ「首肩こりや疲れ」でも、背景となるタイプはさまざまです。代表的なものをご紹介します。
- 気滞血瘀(きたいけつお):同じ姿勢の持続などで気や血の巡りが滞り、こりや張り、重だるさが出やすいタイプ。首肩や背中の頑固なこりとして感じられることがあります。
- 肝鬱気滞(かんうつきたい):緊張やストレスで気の巡りが滞りやすいタイプ。頭の張り感、目の疲れ、イライラ、寝つきの悪さなどとつながることがあります。
- 気血両虚(きけつりょうきょ):疲れや睡眠不足などで、体を巡るエネルギーや栄養が不足しやすいタイプ。疲れやすさ、集中力の続きにくさ、だるさとして感じられることがあります。
これらは重なって現れることも多く、当院ではお体の状態をうかがいながら見立てを行います。
研究結果と当鍼灸院の捉え方
首肩こりや緊張性の頭痛、眼精疲労といった、デスクワークで生じやすい不調に対する鍼灸について、これまでにいくつかの研究が報告されています。ただし、対象や方法はさまざまで、はっきりした結論を出すには、さらに検討が必要とされている段階です。
当院では、こうした研究をふまえつつ、鍼灸を「病気を治すもの」ではなく、緊張した体をやわらげ、休みやすい状態づくりを助ける補助的なケアとしてとらえています。効果には個人差があり、感じ方も人それぞれです。強い症状や続く症状がある場合は、まず医療機関での確認を優先し、そのうえで生活の見直しとあわせてご活用いただくことをおすすめしています。
デスクワークによる不調について詳しく知りたい方へ
首肩こり・眼精疲労・頭痛・背中や腰の張り・自律神経の乱れといった、デスクワークに伴う複合的な不調について、当院の考え方やケアの流れ、よくあるご質問をさらに詳しくまとめた専用ページをご用意しています。ご自身の状態に近い内容を知りたい方は、あわせてご覧ください。
よくある質問
Q. マッサージでは戻ってしまう首肩こりも、鍼灸でみてもらえますか。
A. 同じ姿勢の持続や目の疲れ、生活習慣など、背景が重なっていることが多いため、当院ではお体全体の状態を確認しながら、緊張しやすい部分を整える補助的なケアを行います。症状が強い場合や続く場合は、まず整形外科など該当する診療科での確認をおすすめします。
Q. 目の疲れや頭痛にも対応してもらえますか。
A. 目のまわりや首肩の緊張は互いに関わり合うため、部位のこわばりに着目してアプローチします。ただし、急な視力低下や強い目の痛み、これまでにない激しい頭痛があるときは、眼科や医療機関の受診が先です。
Q. どれくらいのペースで通えばよいですか。
A. お体の状態やお仕事の環境によって異なります。はじめは間隔を詰めて様子をみて、変化に合わせて調整していくことが多いです。無理のないペースをご相談しながら決めていきますので、お気軽にお尋ねください。
CLENCHING / JAW
食いしばり・顎の不調
食いしばりは、歯や顎だけでなく、首肩こり、頭痛、睡眠の浅さ、ストレスとつながっていることがあります。
食いしばり・顎の不調の要点
- 食いしばりや顎の不調は、精神的ストレスや無意識の噛みしめ、首肩の緊張などが積み重なって起こることが多い身近な不調です。
- 顎関節症などが背景にあることもあり、口が開きにくい・強い痛み・カクカクした音などがあるときは、まず歯科・口腔外科の受診が大切です。
- 歯科・口腔外科での診断や治療(マウスピースなど)を土台にすることで、安心してケアに取り組めます。
- 当院の鍼灸は、咬筋や側頭筋、首肩まわりのこわばりをやさしく整える補助的なケアです。
- 東洋医学では、ストレスによる気の巡りの停滞(肝鬱気滞)などの視点でとらえます。
食いしばり・顎の不調について
食いしばりは、日中や睡眠中に無意識のうちに歯を強く噛みしめてしまう状態です。顎やこめかみのだるさ、首肩のこりなど、さまざまな不調につながることがあります。
こんなお悩みはありませんか
- 朝起きたときに顎やこめかみがだるい、疲れている
- 集中しているとき、気づくと歯を噛みしめている
- 顎まわりや側頭部の張り、こわばりが気になる
- 食いしばりとともに、首肩のこりや頭の重さも感じる
原因と背景
食いしばりや顎の不調には、心と体の緊張が深く関わっています。とくに精神的なストレスや集中の持続は、無意識の噛みしめを招きやすく、顎や首肩の筋肉に負担が積み重なっていきます。
背景になりやすい主な要素
- 精神的なストレスや緊張の持続
- 日中や睡眠中の無意識な噛みしめ・食いしばり
- デスクワークや前かがみ姿勢による首肩まわりの緊張
- 睡眠の乱れや疲労の持ち越し
- 噛み合わせや生活習慣などの要因
噛みしめによって顎まわりの筋肉が緊張すると、首肩のこりを招き、その緊張がさらに噛みしめを強めるという悪循環につながることもあります。
医療機関での検査・治療
食いしばりや顎の不調の背景には、顎関節症などが隠れていることがあります。次のような症状があるときは、自己判断で様子を見ず、まず歯科・口腔外科を受診してください。
こんなときは早めに受診を
- 口が開きにくい、大きく開けられない(開口障害)
- 顎に強い痛みがあり、食事や会話がつらい
- 顎を動かすとカクカク・ジャリジャリと音がする
- 顎が引っかかる、ずれる感じがある
- 症状が長く続く、または悪化している
歯科・口腔外科では、問診や触診、噛み合わせの確認、必要に応じて画像検査などで、顎関節や噛み合わせの状態を確認します。マウスピース(スプリント)による治療や生活指導が行われることもあります。まずは歯科・口腔外科を受診し、顎関節の状態を確かめておくと安心です。
当院の食いしばり・顎の不調鍼灸治療
歯科・口腔外科での診断や治療を土台としながら、当院の鍼灸は、噛みしめに関わる筋肉や首肩まわりの緊張をやさしく整えることを目的とした補助的なケアを行います。
当院で大切にしていること
- 顎まわりだけでなく、咬筋や側頭筋、首肩や背中の緊張まで含めて全体を確認します
- こわばった筋肉のこりや血行にやさしく働きかけ、緊張しにくい状態づくりをお手伝いします
- 噛みしめのきっかけになりやすい生活習慣やストレスとの付き合い方についても、一緒に考えていきます
鍼灸は病気を治すものではなく、体のバランスを整えるサポートです。歯科・口腔外科での治療と並行して受けていただくこともできます。
東洋医学的なタイプ分類
東洋医学では、食いしばりや顎の不調を、心身の緊張や気の巡りの状態からとらえます。実際には複数のタイプが重なることも少なくありません。
- 肝鬱気滞(かんうつきたい):ストレスや緊張で気の巡りが停滞したタイプ。イライラや緊張が抜けにくく、噛みしめや首肩のこわばりを伴いやすい状態です。
- 肝火上炎(かんかじょうえん):ストレスによる高ぶりが強まったタイプ。顔まわりの張りや頭の重さ、寝つきの悪さを伴いやすいのが特徴です。
- 気血瘀滞(きけつおたい):気や血の巡りが滞ったタイプ。顎や首肩の同じ場所が慢性的にこわばり、だるさや張りが続きやすい状態です。
研究結果と当鍼灸院の捉え方
顎まわりの緊張や噛みしめに伴う不調に対する鍼灸については、国内外でさまざまな研究や報告が重ねられています。一方で、体質や生活背景には個人差が大きく、症状の感じ方も人それぞれです。
当院では、こうした知見を過度に期待させる材料としてではなく、「顎や首肩まわりの筋肉の緊張を整えるサポート」という位置づけで、ていねいにケアに活かしています。効果を断定したり、医療の代わりになるとお伝えすることはありません。歯科・口腔外科での検査・治療を土台としながら、体をラクな状態に近づけるお手伝いとして、鍼灸をご活用いただければと考えています。
よくある質問
Q. 歯科でマウスピースを使っていますが、鍼灸も受けられますか。
A. はい、歯科・口腔外科での治療と並行して受けていただけます。鍼灸は顎や首肩まわりの緊張を整える補助的なケアです。使用中のマウスピースや治療内容があれば、施術前にお知らせいただくと安心です。
Q. 顎に直接鍼を刺すのですか。
A. お体の状態に合わせて、咬筋や側頭筋など顎まわりのほか、首肩や背中など全体のバランスをみながら進めます。刺激の感じ方には個人差がありますので、苦手な部位や不安があれば遠慮なくお伝えください。
Q. どれくらいで変化を感じられますか。
A. 感じ方には個人差があり、はっきりお約束できるものではありません。噛みしめの背景には生活習慣やストレスも関わるため、はじめは間隔を詰めて体の状態を整え、様子を見ながらペースを調整していくのが一般的です。
FACIAL PAIN
顔面痛
顔面痛は、顎、歯、神経、耳鼻科領域、首肩の緊張など幅広い背景で起こることがあります。
そのため「顔が痛い」という症状だけで決めつけず、どの部位から始まり、どんなきっかけで強まるかを整理することが大切です。
受診が優先になるサイン
- 顔の強い腫れ・発熱・強い歯の痛みを伴う
- 急な視力の低下や、目の強い痛みを伴う
- 突然、顔面に激しい痛みが走る
- 口が大きく開けられない、外傷のあとから痛みや違和感が強い
これらがあるときは、まず歯科口腔外科・耳鼻科・脳神経内科などを受診してください。
顔面痛の要点
- 顔面痛の背景には、三叉神経痛、歯科由来の痛み、顎関節由来の痛み、副鼻腔や耳鼻科領域の問題、首肩由来の関連痛などがあります。
- ピリッと走る痛み、重だるい痛み、噛むと悪化する痛みなど、痛み方の違いが背景を考える手がかりになります。
- 三叉神経痛や顎関節症など、顔面痛に関わる疾患ごとに鍼灸研究が報告されています。
- 当鍼灸院では医療評価を尊重し、慢性的な緊張や関連痛を整える補助線として施術します。
顔面痛について
顔面痛は、顔のどこが痛むのか、片側か両側か、噛むと強まるのか、触れると響くのかで背景が変わってきます。
たとえば、電気が走るような鋭い痛みでは神経性の要素が考えられることがあり、顎を動かしたときの重だるさや耳前部の違和感では顎関節や咀嚼筋の関与が考えられることがあります。
一方で、歯の問題や副鼻腔炎、帯状疱疹後の神経痛などでも顔の痛みは起こりうるため、「首肩こりからの痛みかな」と自己判断しすぎないことが重要です。
原因と悪循環
顔面痛が続くと、無意識に噛みしめる、顔に触れるのが怖くなる、食事がしづらくなる、首肩が固まる、といった悪循環が起こりやすくなります。
さらに、睡眠不足や不安感が重なると、痛みに意識が向きやすくなり、少しの刺激でもつらく感じやすくなることがあります。
医療機関での治療
医療機関では、痛みの性質や部位に応じて、歯科・口腔外科、耳鼻科、神経内科などで背景を整理していきます。
神経性疼痛が疑われる場合には薬物療法が検討されることがあり、歯科や顎関節の問題では局所評価が中心になります。
※当鍼灸院では、強い神経痛そのものを単独で置き換えるのではなく、医療と併用しながら周辺緊張や関連痛を整える補助線として位置づけます。
当鍼灸院での顔面痛の鍼灸治療
当鍼灸院では、顔面痛を「顔だけの問題」とせず、顎、側頭部、首肩、後頭部、胸郭まで含めた関連を見ながら施術を組み立てます。
特に、顔面痛が首肩こり、食いしばり、睡眠不足と重なっている方では、局所だけでなく全身の緊張を落としていくことで過ごしやすさにつながることがあります。
鍼灸でできること
- 顔まわりの過緊張や関連する首肩の緊張を整える
- 噛みしめや顎の重さが重なるケースで周辺の負担を軽くする
- 睡眠不足や不安感で痛みが強まりやすい悪循環を整理する
- 食事や会話でつらくなりやすい周辺条件を整える
東洋医学的なタイプ分類
- 詰まりタイプ:頬やこめかみが張りやすく、イライラや噛みしめが重なる
- 緊張固定タイプ:顔だけでなく首肩まで固く、触れるとつらい
- のぼせタイプ:顔に熱感や張り感があり、頭痛も出やすい
- 消耗タイプ:疲れると症状が出やすく、睡眠の浅さと一緒に悪化しやすい
研究結果と当鍼灸院の捉え方
顔面痛の中でも、三叉神経痛や顎関節症、筋筋膜性の顔面・顎周囲痛では、鍼灸による痛みや機能に関する研究結果が報告されています。
ただし、顔面痛は歯科・耳鼻科・神経内科領域の疾患が背景にあることもあるため、まず医療評価を尊重することが重要です。
そのため当鍼灸院では、顔面痛を単独の症状としてみるのではなく、顎・首肩・睡眠・噛みしめまで含めた関連の中で施術を組み立てます。
FACIAL NERVE PALSY
顔面神経麻痺
顔面神経麻痺では、額が動かしにくい、目が閉じにくい、口角が上がりにくい、飲み物がこぼれやすい、表情の左右差が気になる、といった症状がみられます。
まずは中枢性の麻痺ではないかを見分けることが大切で、そのうえで回復の経過に合わせたケアを考えていきます。
受診が優先になるサイン
- 顔の動かしにくさに加え、手足の麻痺・ろれつ障害・強いめまいがある(中枢性の疑い)
- 目が閉じにくく、角膜の乾燥や痛みがある
- 耳の痛み・水ぶくれ・強い難聴を伴う
- 症状が急に進む、または長く改善しない
これらがあるときは、手足の麻痺などを伴う場合は救急も検討し、まず脳神経内科・耳鼻科などを受診してください。
顔面神経麻痺の要点
- 顔面神経麻痺には、Bell麻痺のような末梢性麻痺と、脳卒中などに伴う中枢性麻痺があります。
- 急性発症では、まず医療機関での評価が重要です。
- Bell麻痺では、標準治療として発症早期のステロイド治療が重視されています。
- 鍼灸では、顔面神経麻痺に対する近年の系統的レビューで、回復や表情筋機能に関する研究結果が報告されています。
- 当鍼灸院では、医療を優先したうえで、回復期や後遺症期のこわばり、左右差、関連する首肩の緊張を整える補助線として施術します。
顔面神経麻痺について
顔面神経麻痺では、顔の筋肉を動かす神経の働きが低下することで、表情の左右差や動かしにくさが出ます。
末梢性麻痺では額もしわを寄せにくくなることがあり、目が閉じにくい、口角が下がる、味覚の違和感や耳の響き感を伴うこともあります。
一方で、中枢性の麻痺では手足の症状やろれつ障害などを伴うことがあり、対応が大きく変わるため、まずは医療機関での評価が欠かせません。
原因と悪循環
顔面神経麻痺では、初期の動かしにくさそのものに加え、「目が閉じにくい」「口元が気になる」「人前で表情を作りづらい」といった生活上の負担が大きくなりやすいです。
回復期には、動きが戻ってくる過程で過剰な力みや共同運動が気になってくることもあり、顔だけでなく首肩まで緊張が強まることがあります。
医療機関での治療
Bell麻痺では、標準治療として発症早期のステロイド投与が重視されています。
目が閉じにくい場合には角膜保護も非常に重要で、点眼や眼帯などの眼科的対応が必要になることがあります。
経過によっては耳鼻科、神経内科、形成外科などで追加評価が行われます。
※当鍼灸院では急性期の医療評価と治療を最優先し、そのうえで回復期以降の補助的なケアとして鍼灸を位置づけます。
当鍼灸院での顔面神経麻痺の鍼灸治療
顔面神経麻痺は、鍼灸臨床でも相談の多い領域の1つです。
当鍼灸院では、医療機関での評価・治療を前提にしながら、顔面の過度な緊張や左右差、口元・目元の動かしづらさ、首肩のこわばりなどを含めて施術を組み立てます。
特に回復期以降では、動きそのものだけでなく、「うまく動かそうとして力が入りすぎる」「首肩まで固まる」「表情を作ると疲れる」といった問題が重なりやすいため、
顔面局所だけでなく頚肩部や後頭部まで含めた調整が役立つことがあります。
鍼灸でできること
- 顔面まわりのこわばりや左右差に関連する緊張を整える
- 首肩や後頭部の過緊張を和らげ、顔の動きを邪魔しにくい状態を作る
- 回復期以降のつっぱり感や疲れやすさを整理する
- 生活上のストレスや睡眠の乱れが重なるケースで、全身の緊張も含めて整える
東洋医学的なタイプ分類
- 急性反応タイプ:顔の違和感が急に出て、耳の後ろの違和感や張りも伴いやすい
- こわばり残存タイプ:動きは戻ってきたが、つっぱり感や左右差が気になる
- 消耗タイプ:疲れると表情が作りにくく、首肩まで固まりやすい
- 緊張固定タイプ:顔だけでなく首肩、後頭部まで常に力が入りやすい
研究結果と当鍼灸院の捉え方
顔面神経麻痺に対する鍼灸では、近年の系統的レビューやメタ解析で、顔面機能スコアや回復に関する研究結果が報告されています。
Bell麻痺では発症早期の医療評価と標準治療が重要であり、鍼灸は医療を置き換えるものではなく、回復期以降の補助的なケアとして位置づけることが安全です。
そのため当鍼灸院では、医療を土台にしながら、回復期や後遺症期の動きづらさ、こわばり、首肩の緊張を整える補助線として施術を行います。
Q&A
よくある質問
頭痛・首肩こり・食いしばり・顔面神経麻痺で多い質問をまとめました。
Q頭痛薬を飲みながら鍼灸を受けられますか?
Q食いしばりと頭痛は関係ありますか?
Q片頭痛と緊張型頭痛が混ざっている感じでも相談できますか?
Q顔面神経麻痺でも鍼灸は受けられますか?
参考(ガイドライン・レビュー)
- NICE:Headaches in over 12s: diagnosis and management(CG150)
- The Journal of Pain(2018):Acupuncture for chronic pain: update of an individual patient data meta-analysis(39 trials / 20,827 patients)
- Cochrane:Acupuncture for the prevention of episodic migraine(22 trials / 4,985 participants)
- Cochrane:Acupuncture for the prevention of tension-type headache(12 trials / 2,349 participants)
- 慢性頚部痛・首肩こりに対する鍼灸の系統的レビュー・メタ解析
- 眼精疲労・ドライアイ関連症状に対する鍼灸の臨床研究・レビュー
- Temporomandibular disorders に対する鍼灸の系統的レビュー・メタ解析
- 三叉神経痛・顔面痛に対する鍼灸の系統的レビュー・関連研究
- AAO-HNSF Clinical Practice Guideline: Bell’s Palsy
- Bell麻痺・末梢性顔面神経麻痺に対する鍼灸の系統的レビュー・メタ解析
※本ページは情報提供であり、診断・治療の代替ではありません。症状が強い場合や急な変化がある場合は医療機関へご相談ください。





