頭部MRIも血液検査も聴力検査も、どこも異常なし。それなのに、ふらつきは毎日続いている。最後に「自律神経失調症でしょう」と言われて、話が終わってしまった——そんな行き場のなさを抱えていませんか。ここでは、検査に映りにくいめまいの背景と、鍼灸という補助的な受け皿について整理します。

このページを要約すると
- 検査で原因がはっきりしないめまいは珍しくなく、原因不明とされる例は全体の約2割ともいわれます。
- 「異常なし」は放置してよいという意味ではなく、心因性・頸性・自律神経性という別の切り口が残っています。
- まず危険なめまい(脳・耳)の除外が前提。そのうえで鍼灸は首肩の緊張や自律神経の観点からの補助になります。
- 効果には個人差があり、医療機関の検査・治療とあわせた補助的なケアです。
⚠️ まず医療機関の受診を
強い頭痛・手足のしびれ・ろれつが回らない・物が二重に見えるなどを伴うめまいや、突然の強い難聴は、すぐに医療機関を受診してください。鍼灸は、耳鼻科などの検査・治療とあわせて行う補助的なケアです。
「異常なし」は、なぜ起きるのか
めまいは大きく4つに分けられます。ぐるぐる回る回転性、ふわふわ揺れる浮動性、立ち上がったときの立ちくらみ、そのほかです。回転性は耳(内耳)が関わることが多く、良性発作性頭位めまい症(BPPV)やメニエール病などが代表です。ところが、画像や血液の検査で原因がつかめないめまいも一定数あり、はっきりした原因が見つからない例は全体の約2割とされています。
検査は、脳卒中や腫瘍、内耳の病気といった「危険なもの・治療が必要なもの」を確かめる役割を持ちます。そこに引っかからなければ「異常なし」と伝えられます。ただしそれは、身体のはたらきの乱れ(自律神経のバランスや首肩のこわばりなど)まで否定した言葉ではありません。検査で映るものがなかった、という意味にとどまります。
「自律神経失調症でしょう」という説明は、この乱れを指していることが多いものです。名前がついても対処が示されないまま終わると、次にどうすればよいのか分からなくなります。
※ 効果には個人差があり、効果を保証するものではありません。まず医療機関での検査を前提とします。
「異常なし」でも受診が要るとき
過去に検査を受けていても、次のようなめまいが出たときは、あらためて医療機関の受診を優先してください。
- 突然の激しいめまいに、強い頭痛・手足のしびれ・ろれつが回らない・物が二重に見える・立てない歩けないを伴う:脳卒中などを疑い、すぐに救急へ。
- 難聴や耳鳴りを伴う:メニエール病や突発性難聴は早期の治療が大切です。耳鼻科を受診してください。
- 初めてのめまい、または以前と様子が違う・繰り返す:まず耳鼻科・脳神経内科で、器質的な病気の除外を。
「前は異常なしだったから」と自己判断で済ませないことが安心につながります。めまいのタイプごとの見分け方はめまいの種類と原因にまとめています。鍼灸は、この受診・治療にとって代わるものではなく、あわせて行う補助的なケアです。
「異常なし」のめまいに残る3つの切り口
危険なものが除外されたあと、身体のはたらきという別の角度から見直せる余地があります。
- 心因性:ストレスや疲れがたまると、ふわふわした浮動性のめまいが出やすくなります。眠りが浅い、肩に力が入っている、という方に多い傾向です。
- 頸性:首の筋肉には平衡感覚のセンサーがあり、首肩こりが強いとふらつきに関わることがあります。デスクワークやスマホ首が続く方に。
- 自律神経性:交感神経が優位に傾いた状態が続くと、立ちくらみや浮動感が出ることがあります。天気や睡眠、季節の変わり目で揺れやすくなります。
東洋医学では、めまい(眩暈)を身体の巡りやバランスの乱れとしてとらえ、その人の状態に合わせて見立てます。この考え方はめまいと東洋医学の証で詳しく説明しています。「異常なし」で立ち止まっている方にとって、次の一歩を考える手がかりになります。
鍼灸という受け皿でできること
鍼灸が関わりやすいのは、いま挙げた心因性・頸性・自律神経性のめまいです。首肩のこわばりをゆるめ、副交感神経が働きやすい状態へ整え、頭部への血流を促す方向にアプローチします。首肩こりがきっかけになっている頸性めまいに対する鍼治療は、複数の研究をまとめたネットワークメタ解析でも検討されています。
大切なのは、これが検査や投薬の代わりではないという点です。耳鼻科の治療を続けながら、お薬を飲みながらでも受けられます。めまいの鍼灸について、通い方や料金を含めた全体像はめまい鍼灸の専用ページにまとめました。効果の感じ方には個人差があります。
初めての方限定
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首肩こり・自律神経の乱れなど、身体の治療メニューに適用されます。
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耳鼻科、脳神経内科、内科、心療内科と回っても、どこでも「異常なし」。検査のたびに期待して、そのたびに宙ぶらりんになる。その繰り返し自体が心身の負担になり、めまいをさらに感じやすくすることもあります。
当院では、まずカウンセリングでめまいのタイプ・きっかけ・これまでの受診状況・首肩のこりをうかがい、いまの身体の状態を一緒に確認します。そのうえで、首肩・後頭部・手足へやさしく鍼を行います。通う目安は週1〜2回から始め、様子を見ながら間隔をあけていくのが一般的です。原因がはっきりしないと言われためまいでも、身体の緊張という切り口から向き合っていけます。
よくある質問
Q 検査で異常なしと言われましたが、鍼灸を受けてよいですか?
Q 「自律神経失調症」と言われためまいにも向きますか?
Q お薬を飲みながらでも受けられますか?
※本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療を保証するものではありません。効果には個人差があります。強い頭痛・しびれ・ろれつが回らないめまいや突然の強い難聴は、まず医療機関を受診してください。お薬の調整は主治医とご相談ください。
参考文献・出典
- 日本めまい平衡医学会「めまいの診断基準・診療ガイドライン」
- Yang Y, et al.「頸性めまいに対する鍼と推拿の比較:ネットワークメタ解析」Frontiers in Neurology 2026
- Chung KF, et al.「鍼が心拍変動に及ぼす影響:システマティックレビュー」Evid Based Complement Alternat Med 2014
監修:中澤 和巳(あん摩マッサージ指圧師・臨床10年)
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