東洋医学でみるすべり症・分離症の4タイプ|あなたの「証」と鍼灸



同じ「すべり症・分離症の腰痛」でも、その背景にある体質は人それぞれです。東洋医学では、腰を「腎の府」ととらえ、腰の痛みを腎の力の低下気血の巡りの滞りとしてみます。この記事では、すべり症・分離症を東洋医学の「証」で読み解く4タイプを、特徴・背景・使うツボとともに解説します。

東洋医学でみるすべり症・分離症の4タイプ|あなたの「証」と鍼灸

このページを要約すると

  • 東洋医学では、腰は「腎の府」。腰の痛みを腎の力の低下や巡りの滞りとしてとらえます。
  • 背景は腎虚・気滞血瘀・寒湿・肝腎不足の4タイプ(証)に整理できます。
  • 「土台が弱い」「刺すように痛む」「冷えると重い」——あらわれ方でタイプが異なります。
  • タイプに合わせてツボを選び、体質から整えます(保存療法の補助・効果には個人差)。

⚠️ まず整形外科の診断を
すべり症・分離症は整形外科での診断・治療が基本です。進行する脚の麻痺・脱力、排尿排便の障害を伴う場合は、鍼灸より先に医療機関を受診してください。

目次

東洋医学でみるすべり症・分離症「腰は腎の府」

東洋医学では、腰は「腎の府」——腎の状態があらわれる場所とされます。加齢や過労での力(身体の土台となる力)が弱ると、腰を支えきれなくなり痛みが出やすくなります。そこに、無理な動作でできた瘀血(おけつ・血の滞り)や、冷え(寒湿)が重なると、痛みが強まる、というのが東洋医学の見方です。とくにすべり症・分離症では、腰を支える土台の弱さと、体幹の支えの不足が重なりやすいと考えます。だからこそ、症状そのものだけでなくなぜ支えきれず痛むのかという体質を見分けて整えることを大切にします。

すべり症・分離症の4タイプ(証)

① 腎虚タイプ(土台の弱さ)

特徴:腰が重だるく、長く立つ・歩くとつらい。腰に力が入りにくく、腰膝がだるい。冷えや夜間の頻尿を伴うことも。

背景:腎の力が不足し、腰を支える土台が弱った状態。すべり症・分離症の中心となりやすいタイプです。

使うツボ(例):腎兪・命門・志室・太渓・関元などで、身体の土台となる力を補います。

② 気滞血瘀タイプ(刺すような痛み)

特徴:刺すような固定した痛み、同じ場所がずっとつらい、動きはじめに痛む。無理な動作のあとに悪化。

背景:気・血の巡りが滞り、腰に「瘀血」がたまった状態です。

使うツボ(例):大腸兪・委中・膈兪・血海・腰陽関などで、巡りをうながし滞りをさばきます。

③ 寒湿タイプ(冷え・重だるさ)

特徴:腰が重だるく冷える、雨の日や寒い日に悪化、温めると楽になる。

背景:冷えや湿気(寒湿)が腰にとどまり、巡りをさまたげた状態です。

使うツボ(例):腎兪・大腸兪・命門・足三里などに、お灸などで温めながらアプローチします。

④ 肝腎不足タイプ(慢性・虚弱)

特徴:長く続く腰のだるさ・脚のしびれ、脚に力が入りにくい、疲れやすい。中高年の変性すべり症に多い。

背景:身体を養う「肝」と「腎」がともに不足し、筋・骨・腰を保つ力が弱った状態です。

使うツボ(例):肝兪・腎兪・太渓・太衝・三陰交などで、肝腎を養います。

あなたはどのタイプ?(かんたんチェック)

  • 腰が重だるく力が入りにくい+長く立つとつらい → 腎虚タイプ
  • 刺すような固定した痛み+動きはじめに痛む → 気滞血瘀タイプ
  • 重だるく冷える+雨や寒さで悪化 → 寒湿タイプ
  • 長く続くだるさ・脚のしびれ+疲れやすい → 肝腎不足タイプ

実際には複数のタイプが混ざることも多く、カウンセリングで舌や脈、生活の状態を確認しながら見極めます。ご自宅でできるツボのセルフケアはすべり症・分離症のツボ・セルフケアをご覧ください。

よくある質問

Q
自分のタイプは自分で分かりますか?

A

おおよその傾向はセルフチェックで分かりますが、複数のタイプが混ざることも多いため、舌・脈・生活を確認しながら見極めます。まずはご相談ください。

Q
整形外科に通院中でもタイプ別の鍼灸を受けられますか?

A

はい。整形外科の診断・治療を尊重しながら、体質に合わせて施術します。お薬の調整は主治医とご相談ください。

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※本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療を保証するものではありません。効果には個人差があります。すべり症・分離症は整形外科での診断・治療が基本です。進行する脚の麻痺・脱力、排尿排便の障害を伴う場合は、すぐに医療機関を受診してください。東洋医学の「証」は体質の考え方であり、医学的診断とは異なります。

参考文献・出典

  1. 教科書執筆小委員会 編「東洋医学概論」医道の日本社(腰痛の弁証:腎虚・気滞血瘀・寒湿・肝腎不足)
  2. 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる:腰椎分離症・分離すべり症/腰椎変性すべり症」

監修:中澤 和巳(あん摩マッサージ指圧師・臨床10年)

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この記事を書いた人

中澤 和巳のアバター 中澤 和巳 インヤン美容鍼・鍼灸治療院 藤沢院 院長

YIN' YANG 美容鍼・鍼灸治療院 湘南藤沢院 院長。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格)/臨床10年。美容鍼と鍼灸で、自律神経の乱れ・不眠・頭痛・腰痛・めまいなど慢性化しやすい不調に、お一人おひとりの状態へ合わせて向き合います。医療機関の受診が必要なケースはご案内したうえで、無理のない施術計画をご提案します。

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