同じ「眠れない」でも、その背景にある体質は人それぞれです。東洋医学では、不眠を「不寐(ふび)」と呼び、体質のタイプ(証)を見分けて全身から整えます。この記事では、不眠を東洋医学の「証」で読み解く4タイプを、特徴・背景・使うツボとともに解説します。

このページを要約すると
- 東洋医学では、眠りは心(こころ)と身体のバランスで保たれると考えます。
- 不眠は大きく心脾両虚・肝火・心腎不交・痰熱の4タイプ(証)に分けられます。
- 「疲れているのに眠れない」「夜中に目が覚める」——あらわれ方でタイプが異なります。
- 鍼灸では、タイプに合わせてツボを選び、心身が休まりやすい状態へ整えます(効果には個人差)。
東洋医学でみる不眠「眠りは心と身体のバランス」
東洋医学では、不眠を「不寐(ふび)」と呼びます。眠りは、心(こころ)と身体——とくに心・肝・脾・腎のはたらきのバランスで保たれると考えます。ストレスで気が高ぶったり、疲れや加齢で身体を養う力が不足したり、胃腸に余分なものが溜まったりすると、このバランスが崩れて眠りが乱れる、というのが東洋医学の見方です。
だからこそ、眠りそのものだけでなく、なぜ眠れないのか——その体質(証)を見分けて全身から整えることを大切にします。
不眠の4タイプ(証)
① 心脾両虚タイプ(考えすぎ・疲れ)
特徴:布団に入っても考えごとが止まらず寝つけない。夢が多く眠りが浅い。動悸・食欲のむら・疲れやすさ・顔色のさえなさを伴いやすい。
背景:考えすぎや過労で、心(こころ)と胃腸(脾)のはたらきが弱り、心を養う血が不足した状態です。まじめで頑張り屋の方に多いタイプです。
使うツボ(例):心兪・脾兪・神門・三陰交・足三里などを用い、気血を養って心を落ち着けます(補法)。
② 肝火タイプ(ストレス・のぼせ)
特徴:ストレスやイライラで気が高ぶり、寝つけない。夢が多い、目の充血、口の苦み、頭痛やのぼせを伴いやすい。
背景:ストレスで「肝」の巡りが滞り、熱(肝火)が上に昇った状態です。日中の緊張やイライラが夜まで続く方に多いタイプです。
使うツボ(例):行間・太衝・風池・神門などで、高ぶった熱を鎮め、巡りを整えます(瀉法)。
③ 心腎不交タイプ(ほてり・消耗・中途覚醒)
特徴:寝ついても夜中に目が覚める。のぼせ・ほてり・寝汗・口の渇き・耳鳴り・腰のだるさを伴いやすい。
背景:加齢や過労で身体を潤す力(腎)が不足し、心と腎のバランス(心腎の交わり)が崩れた状態です。中高年の中途覚醒に多いタイプです。
使うツボ(例):腎兪・太渓・三陰交・神門・心兪などで、潤いを補い、心と腎のバランスを整えます(補法)。
④ 痰熱タイプ(胃腸・重だるさ)
特徴:頭が重く、寝てもスッキリしない。胃もたれ・口の粘り・胸のつかえを伴いやすい。食べすぎ・飲みすぎのあとに悪化しやすい。
背景:胃腸に余分な水分や熱(痰熱)が溜まり、それが眠りを妨げる状態です。脂っこい食事やお酒が多い方に見られやすいタイプです。
使うツボ(例):中脘・豊隆・内関・足三里などで、胃腸を整えて余分なものをさばきます。
あなたはどのタイプ?(かんたんチェック)
- 考えごとが止まらず寝つけない+疲れやすい → 心脾両虚タイプ
- イライラ・のぼせで寝つけない+目の充血 → 肝火タイプ
- 夜中に目が覚める+ほてり・寝汗 → 心腎不交タイプ
- 頭が重い・胃もたれ+寝てもスッキリしない → 痰熱タイプ
実際には複数のタイプが混ざることも多く、カウンセリングで舌や脈、生活の状態を確認しながら見極めていきます。
鍼灸では体質に合わせて整える(弁証論治)
このように、東洋医学では「なぜ眠れないのか」という体質の背景を見分け、その人に合わせてツボを選びます。これを弁証論治といいます。首肩や頭部のこわばりをゆるめ、自律神経を整えることも大切にします。
📊 研究データ(ポイント)
- 原発性不眠のメタ解析(11件の比較試験)で、鍼治療により総睡眠時間が延び、睡眠効率が高まり、夜中に目が覚める回数が減ったとされ、その傾向は4週間後まで続いたと報告されています[1]。
📖 鍼灸の効果や研究の全体像は、藤沢で不眠の鍼灸なら(総合ガイド)もあわせてご覧ください。
※ 効果には個人差があり、効果を保証するものではありません。
よくある質問
Q 自分のタイプは自分で分かりますか?
Q 睡眠薬を飲んでいてもタイプ別の鍼灸を受けられますか?
初めての方限定
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自律神経の乱れ・首肩こりなど、身体の治療メニューに適用されます。
不眠鍼灸 専用ページを見る インヤン藤沢で今すぐ予約する※本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療を保証するものではありません。効果には個人差があります。眠れない状態が続く場合や、強い気分の落ち込み・大きないびきや睡眠中の呼吸の乱れがある場合は、まず医療機関を受診してください。お薬の調整は主治医とご相談ください。
参考文献・出典
- Zhao FY, et al.「原発性不眠に対する鍼治療(客観的睡眠指標のSR/メタ解析)」Sleep Med 2021;80:244-259
- 福田文彦「不眠症」(症状別鍼灸臨床の実際)ほか、不眠の東洋医学的弁証(心脾両虚・心腎不交・痰熱・肝火)と選穴に関する成書
監修:中澤 和巳(あん摩マッサージ指圧師・臨床10年)
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