のぼせ、冷え、イライラ、眠れない——一見バラバラに思える更年期の不調も、東洋医学では一つのつながりとして捉えます。ここでは更年期を「絶経前後諸症」としてみる考え方と、体質タイプ・代表的なツボを、藤沢の鍼灸院が分かりやすくお話しします。一人で抱えていませんか。

このページを要約すると
- 東洋医学では更年期を「絶経前後諸症」とよび、加齢による腎の衰えを土台と考えます。
- 体質タイプの目安は、腎陰虚・腎陽虚・肝鬱気滞・心腎不交の大きく4つ。同じ更年期でも出方は人それぞれです。
- 治法は補腎(滋陰・温陽)・疏肝・安神。三陰交・太衝・腎兪・関元・太渓などのツボを用います。
- 鍼灸はHRT(ホルモン補充)や漢方と併用し、体質・自律神経を整える補助という位置づけです。
- 強い抑うつ・不正出血・急な体重変化などは、まず婦人科・内科でご相談ください。
東洋医学では更年期をどうみる?「絶経前後諸症」
東洋医学では、更年期の不調を「絶経前後諸症(ぜっけいぜんごしょしょう)」とよびます。閉経の前後に、のぼせ・ほてり・冷え・不眠・イライラ・疲れ・めまいなど、さまざまな症状が重なって現れる状態を指す言葉です。
その土台にあると考えられているのが「腎(じん)」の衰えです。東洋医学でいう腎は、腎臓そのものだけを指すのではなく、生命力・成長・生殖・老化にかかわる大きな働きをあらわします。年齢とともに腎の力が少しずつ目減りしていく——その節目に現れるのが更年期の揺らぎ、という見立てです。
ここに、ストレスや生活リズムの乱れによる「肝(かん)」のはたらきの滞りや、心と腎のバランスの崩れが重なると、症状の出方が変わってきます。だからこそ、東洋医学では「更年期=一律にこう」ではなく、その人の体質タイプを見きわめることを大切にします。
体質タイプの目安(4つの見方)
更年期の不調は、大きく次の4タイプに分けて考えられることが多いです。実際にはいくつかが重なることもあり、あくまで見立ての目安としてご覧ください。
① 腎陰虚(じんいんきょ)— 火照るタイプ
体を冷やし潤す「陰」が不足し、相対的に熱がこもりやすい状態です。
- のぼせ・ほてり(ホットフラッシュ)、顔や手足の熱っぽさ
- 寝汗・口の渇き、目の乾き
- 寝つけない・眠りが浅い、なんとなくのイライラ
② 腎陽虚(じんようきょ)— 冷えるタイプ
体を温める「陽」が不足し、冷えや巡りの停滞が起こりやすい状態です。
- 手足やお腹の冷え、寒がり
- むくみ・体が重だるい、疲れが抜けにくい
- 気力の低下・頻尿、腰のだるさ
③ 肝鬱気滞(かんうつきたい)— 張るタイプ
ストレスなどで「気」の巡りが滞り、感情や体の張りに出やすい状態です。
- 情緒が不安定、ちょっとしたことでイライラ・落ち込み
- 胸やわき、お腹の張った感じ、ため息が多い
- 肩こり・頭の重さ、症状が気分で変動しやすい
④ 心腎不交(しんじんふこう)— 眠れないタイプ
心と腎の連携が崩れ、頭は冴えるのに体は落ち着かない状態です。
- 寝つけない・夜中に目が覚める、考えごとが止まらない
- 動悸・胸のざわつき、不安感
- 手足のほてりと、疲れやすさが同居する
日本人女性は、欧米と比べて疲れ・肩こり・冷えなど身体の症状が前に出やすいとも言われます。自分のタイプがはっきりしないときは、施術のなかで一緒に見立てていきます。ご自身の症状の全体像は 更年期障害とは(症状のまとめ) もあわせてご覧ください。
治法と代表的なツボ
タイプに応じて、東洋医学では次のような方針(治法)で体を整えていきます。鍼灸では、これらの考え方に沿ってツボを選びます。
- 補腎(ほじん):土台となる腎を補う。潤い不足には滋陰(じいん)、冷えには温陽(おんよう)と、タイプに合わせて調整します。
- 疏肝(そかん):滞った気の巡りをのびやかにし、イライラや張りをやわらげます。
- 安神(あんじん):高ぶった心を落ち着け、不眠・動悸・不安を支えます。
よく用いられる代表的なツボには、次のようなものがあります。
- 三陰交(さんいんこう):内くるぶしの上。婦人科系の不調や冷え・むくみに幅広く用いられます。
- 太渓(たいけい):内くるぶしの後ろ。腎を補う代表的なツボです。
- 腎兪(じんゆ):腰にあり、腎の力や下半身の冷え・だるさを支えます。
- 関元(かんげん):おへその下。お腹を温め、疲れや冷えを底上げします。
- 太衝(たいしょう):足の甲。肝の巡りを整え、イライラや張りをやわらげます。
実際には、その日の体調や脈・お腹の状態をみながらツボを組み合わせます。施術の流れや内容は 更年期の鍼灸ページ でもご紹介しています。
西洋医学(HRT・漢方)との付き合い方
東洋医学の考え方は、西洋医学と対立するものではありません。更年期の治療の中心は、まず婦人科でのHRT(ホルモン補充療法)や漢方などです。鍼灸はそれらの代わりではなく、体質や自律神経を整えて症状をやわらげる補助として組み合わせられます。
- HRTや漢方を続けながら、鍼灸で肩こり・冷え・不眠などを一緒にケアする。
- HRTが使いにくい・避けたい方の、体を整える選択肢の一つとして。
治療との具体的な組み合わせ方は 治療(HRT・漢方)との付き合い方、研究のまとめは エビデンス総まとめ もご覧ください。なお、更年期に似た症状は甲状腺の病気・うつ病・ほかの病気でも起こり得ます。強い抑うつや希死念慮、不正出血、急な体重変化などがあるときは、受診の目安・鑑別も参考に、まず婦人科・内科にご相談ください。
よくある質問
Q 自分のタイプが分からなくても大丈夫ですか?
Q 東洋医学の鍼灸で更年期は治りますか?
Q HRTや漢方と併用できますか?
藤沢で更年期の鍼灸なら
藤沢のインヤン鍼灸院は、藤沢駅北口から徒歩7分・完全予約制。婦人科の治療を尊重しながら、東洋医学の見立てをもとに、のぼせ・冷え・不眠・肩こりなど更年期の揺らぎを身体から整えるお手伝いをしています。
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更年期の鍼灸 専用ページを見る インヤン藤沢で今すぐ予約する※本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療を保証するものではありません。効果には個人差があります。鍼灸は更年期を治すものではなく、諸症状をやわらげ体質・自律神経を整える補助です。更年期に似た症状は甲状腺の病気・うつ病・悪性腫瘍などでも起こり得ます。強い抑うつ・希死念慮、不正出血、急な体重変化などがある場合は、まず婦人科・内科を受診してください。お薬は自己判断で中止せず、主治医にご相談ください。
参考文献・出典
- 教科書『臨床鍼灸学』『中医学の基礎』ほか(絶経前後諸症・腎虚・肝鬱の弁証論治)
- 日本産科婦人科学会・日本女性医学学会『ホルモン補充療法ガイドライン』ほか(西洋医学的治療の位置づけ)
監修:中澤 和巳(あん摩マッサージ指圧師・臨床10年)
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